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マインズカレーは５年の歳月をかけ、出来上がりました。
はじめの頃は作るたびに自信を失いそうになり、何度も試行錯誤を重ねながら完成までたどり着きました。時間がかかったのは当たり前で、私は２４歳で料理人の道に入りましたがまったくの未経験でした。周りの人たちからは予想外の道に進んだがために、ビックリするやら、“おまえには無理だ！”などと散々言われました。
しかし、自分の決めた道に迷いは微塵もありませんでした。マインズカレーの味をみなさんの家庭に届けるんだ！という強い思いがあったからです。
今思えば無知だったからこそ、強い信念を持てたのでは？ と思います。実際この仕事についてからは、まだ何も出来ないのでマインズカレーのために本屋さんでカレーに関する本を読みあさりました。一行一句でも“あっこれだ！”と思えば迷わず購入してマインズカレー作りの参考にしていました。
はじめはカレー本のレシピ通りに作り、味のバランスを確かめ、何が良くて何が悪いのかノートに書き記していました。そうして出来たマインズカレーの味は、今でも忘れられません。結果は、悲惨でした。期待とは裏腹に、とても食べられたものではありませんでした。
料理という言葉を使うのも失礼な味でした。
でも、人間にはありがたい事に学習能力というものがあります。作るたびに、失敗が少しずつ減っていきました。時にふりだしに戻る時もありましたが、原因が分かるようになってきたので、進歩も早くなりました。残るは最後の仕上げです。
“どんな味にしたいのか？”
一番大事なテーマが定まっていなかったのです。
ここからが本当の戦いの始まりでした。
想像できるカレーの味は？インド風？欧風？タイ風？キリが無い・・・。 それに加え、甘口、中辛、辛口、激辛などなど。地域風は後にして、まず基本の甘口と辛口で分けてみよう！
それでは一口で甘いも辛いも同時に味わえるカレーは無いのか？
「おいしい」だけではダメだ、特徴が無い・・・
目指すは「おいしい」を超えた美味しさだ！
考えに考え、答えは何とか見つかりました。
インドと欧風を合わせたような、１スプーンで甘さと辛さを味わえるカレー。
それが、今日お客様にご提供させていただいている「マインズカレー」です。
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